よくある相続のトラブル事例3選
2025.07.04
大きなお金が関わるところには、トラブルがつきものです。
いい人だと思っていた人、あるいは長年の交友があった人でも、お金の上での
いさかいが発生した途端、それまでのことがウソのように態度が急変することも
少なくありません。お金が人を変えてしまうこともあるのです。
その点、相続もまた例外ではありません。数千万円から多ければ数億円を超える
ようなお金が動く相続において、誰がどのくらいの資産を相続するか、さらには
どのようにして資産を分配するかについて、トラブルになる事例は少なくないの
です。では、どのようなトラブルがあり、そうしたトラブルを防ぐにはどうすれ
ばいいのでしょうか。
相続時に発生しやすいトラブルとして、「遺言書をめぐるトラブル」
「兄弟同士の遺産分割協議で起きるトラブル」「土地・建物のみの
相続で起きるトラブル」などが挙げられます。
これらのケースでは、スムーズに遺産相続を進めるのが難しく、結果的に
トラブルになってしまう傾向があります。それぞれのポイントを把握し、
事前に対策を考えておきましょう。
遺言書では、書き手である被相続人が、相続財産を誰に・どのくらい分配
するのか自由に決めることができます。しかし、遺言書がきっかけで
相続人の間でトラブルに発展してしまうケースも少なくありません。
たとえば、家族が予想しないような相手に対して、相続財産全額を与える
といった内容の遺言書が見つかった場合、どうなるでしょうか。
きっと、家庭内は混乱するでしょう。また、遺言書の内容が法的に無効で
あったり、あるいは遺留分の問題でもめてしまうケースもあったりします。
そのようなトラブルにならないよう、被相続人だけでなく相続人となる
家族とともに、適切な遺言書を作成しておくことが求められます。
当然、相続に関する法律上の規定についても、理解しておいた方がいいで
しょう。
たとえ仲がいい兄弟・姉妹であっても、お金が絡むことによって、
仲違いしてしまうケースは少なくありません。
とくに、事前に相続の準備を進めていない場合はなおさらです。現金
以外にも自宅の相続、家業の引き継ぎなどトラブルに発展しやすい
ポイントはたくさんあります。そのようなトラブルを未然に防ぐため
には、事前の話し合いをしておくことが求められます。
「現金はどう分配するのか?」「自宅については誰が引き継ぐか?」
「家業を継承するのは誰なのか?」などを、生前に協議しておきま
しょう。ちなみに、相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合の法定相続分は、
配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1になります。あらかじめ確認
しておきましょう。
相続財産の分配という意味においては、土地・建物の相続にも注意が
必要です。現金とは異なり、土地や建物というのは分けにくく、どの
ように分割し、誰が相続するのかで揉めてしまうことが少なくない
からです。こうしたトラブルを防ぐためには、土地・建物の分け方を
事前に決めておくといいでしょう。分け方としては、そのままの形で
分割する「現物分割」、お金にしてから分割する「換価分割」、
たとえば家を相続した人が他の相続人に金銭を支払う「代償分割」、
相続人同士で共有する「共有分割」などがあります。
これらのうち、分け方の方針をあらかじめ決めておき、誰が相続する
のかについても話し合っておくといいでしょう。ただし、共有分割に
すると二次相続、三次相続と繰り返すうちに細分化して権利関係が
複雑になるため注意が必要です。
相続時のトラブルは、遺産の分け方やその金額、あるいは各相続人間
の分配などが原因です。そういった事情を考慮に入れておけば、
できるだけ分けやすい形で資産を置いておくこと、さらには明確な
分配方法を提示しておくなど、やるべき対策が見えていきます。
相続時に家族が混乱してしまうようなことがないよう、可能な限り
生前に準備を進めておき、個別の事案ごとに適切に対処できるよう
にしておきましょう。
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※2025年7月時点での内容となります。